収入合算で組む住宅ローンの注意点とは?リスクと対策を解説
投稿日: 2026.01.10
理想の住まいを実現するために、夫婦の収入を合算して住宅ローンを組む選択肢は一般的になってきています。
これにより、一人で借りるよりも多くの金額を借り入れられる可能性があります。
しかし、この方法を選ぶ際には、将来にわたって後悔しないために、いくつかの大切なポイントを理解しておくことが不可欠です。
ここでは、収入合算で住宅ローンを組む際に注意すべき点や、ペアローンとの違いについて解説します。
収入合算で住宅ローンを組む際の注意点
借入可能額と返済可能額は異なる
収入合算により住宅ローンの借入可能額が増えることはメリットですが、それはあくまで「借りられる上限」であり、「無理なく返済し続けられる額」とは異なります。
月々の返済額だけでなく、将来の収入変動や、教育費・医療費といった予期せぬ支出の増加も考慮した、長期的な返済能力の見極めが重要です。
シミュレーションや専門家への相談を通じて、ご自身のライフプランに合った返済額を設定しましょう。
共有名義と贈与税のリスク
夫婦で収入合算する場合、購入する物件の所有権(持ち分)をどのように登記するかは重要な論点です。
一般的には、頭金やローン返済における資金負担の割合に応じて、物件の持ち分割合を定めます。
もし、この持ち分割合が実際の資金負担と大きく異なると、その差額が「贈与」とみなされ、贈与税の課税対象となるリスクがあります。
登記が完了すると後から変更することが難しいため、住宅購入の初期段階での慎重な検討と専門家への相談が推奨されます。
長期的な返済計画の必要性
住宅ローンは、一般的に数十年という長期にわたる返済計画が必要です。
収入合算で借入額を増やした場合、返済期間も長くなる傾向があります。
単に現在の収入で返済できるかだけでなく、将来、子供の進学や住宅の修繕などで支出が増加する時期、あるいは退職による収入が減少する時期なども見据え、長期的な視点で無理のない返済計画を立てることが不可欠です。
金利変動リスクも念頭に置いた、余裕のある計画が望ましいでしょう。

収入合算とペアローンで異なる点
団信加入とローン控除の適用可否
収入合算には、主に「連帯保証型」と「連帯債務型」という形態があり、これらと「ペアローン」では、団体信用生命保険(団信)への加入や住宅ローン控除の適用に違いが生じます。
団信は、連帯保証型では主債務者のみ加入が一般的です。
連帯債務型では、金融機関によっては連帯債務者も加入できる場合があります(金利上乗せなど条件付き)。
ペアローンでは、夫婦それぞれが主債務者となり、それぞれが団信に加入できます。
住宅ローン控除は、連帯保証型では主債務者のみ対象です。
連帯債務型やペアローンでは、夫婦それぞれが対象となり、税制上のメリットをより享受できる可能性があります。
離婚時の債務責任とリスク
収入合算で住宅ローンを組んだ場合、特に連帯債務型では、離婚した場合でも債務の責任が残る点に注意が必要です。
連帯債務者は、主債務者と同様に、離婚後もローンの返済義務を負い続けることになります。
連帯保証型では、金融機関の承認を得られれば、保証人を変更できる可能性もありますが、連帯債務型ではそう簡単ではありません。
ペアローンでも、それぞれが主債務者であるため、離婚後も各自が自身のローンを返済する責任が生じます。
将来の家族関係の変化も視野に入れ、債務のあり方について十分に検討しておくことが重要です。

まとめ
収入合算による住宅ローンは、借入可能額を増やし、より希望に近い住まいを実現するための有効な手段となり得ます。
しかし、借入可能額が増える一方で、返済額も大きくなること、物件の共有名義と贈与税のリスク、そして長期的な返済計画の重要性を忘れてはなりません。
また、団信加入や住宅ローン控除の適用、万が一の離婚時の債務責任など、ペアローンとの違いも理解しておく必要があります。
ご自身のライフプランと照らし合わせ、将来を見据えた無理のない選択をすることが、後悔しない住宅ローン選びの鍵となるでしょう。



