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投稿日: 2026.01.26

新しい家を建てる際、工事が始まる前に「地鎮祭」という儀式を執り行うことが一般的です。
単に工事の安全を祈るだけでなく、その土地の神様に工事の許可を得て、これから建つ家とその家族の末永い繁栄を願う、非常に神聖で大切なものです。

初めて家を建てる方にとっては、「地鎮祭って具体的に何をするの?」「準備は何が必要?」「当日はどんなことをすればいいの?」など、分からないことや不安なことも多いでしょう。
そこで今回は、地鎮祭を安心してスムーズに進めるために、準備段階や当日の流れなど解説していきます。

□地鎮祭の基本的なやり方

*地鎮祭とは神事である

地鎮祭とは、文字通り「土地を鎮める」ための神聖な儀式であり、日本の古くからの伝統に根ざした神事です。
儀式を行うことで、これからその土地に建物を建てるにあたり、土地の神様に工事を行うことの許しを請い、土地を利用させていただくことへの感謝の気持ちを表します。
同時に、工事が無事に完了すること、そしてその建物に住む人々が安全で健やかに、そして末永く繁栄していくことを神様に祈願するのです。
この儀式は、単に形だけのイベントではなく、神様への敬意と感謝の念を込めて行われる、非常に意味深い神事なのです。
一般的には、建築工事が本格的に始まる前の、土地が整地された段階で行われます。

 

*神主への依頼と当日の流れ

地鎮祭を執り行うにあたり、最も一般的なのは、地域の神社に所属されている神主さんに依頼することです。
まずは、家づくりを依頼する施工会社に相談してみましょう。
多くの場合、施工会社が地鎮祭の神主さんの手配や、地鎮祭に必要な道具の準備などをサポートしてくれます。

もし、ご自身で神社に依頼したい場合は、お住まいの地域にある神社に直接問い合わせてみましょう。
依頼する際には、地鎮祭を行う予定の日時、場所(建築予定地)、そして当日の参加人数などを正確に伝えることが重要です。

地域によっては神社に直接出向いて祈祷を受け、お札や砂、鎮め物などを授かり、それを工事現場で自分たちで撒いたり埋めたりする「祈祷参拝方式」の方法もあります。

今回は現地で行う地鎮祭の流れをお伝えします。

神主さんへのお礼である「初穂料」を、あらかじめ用意したのし袋に入れてお渡しします。
その後は、神主さんの指示に従って、儀式が進行していきます。
一般的な地鎮祭の流れは、おおよそ以下のようになります。

1.開式の儀:神主さんが、これより地鎮祭を始める旨の祝詞を奏上し、儀式の開始を宣言します。
2.お祓い:神主さんが、祭壇や神様にお供えする物、そして参列者全員の穢れ(けがれ)を祓い清めます。
3.降神の儀:祭壇にお迎えした神様をお招きします。
4.献饌:神様へのお供え物(米、酒、水、塩、海の幸、山の幸など)を祭壇に捧げます。
5.祝詞奏上:神主さんが、工事の安全、建物の完成、そして家族の健康と繁栄を願う祝詞を読み上げます。
6.四方祓い:祭壇の周り、そして土地の四隅を、神主さんが扇のような祓串(はらえぐし)で祓い清め、邪気を払います。
7.地鎮の儀:土地の神様を鎮め、工事の安全を祈願する儀式です。
8.玉串奉奠:参列者一人ひとりが、神主さんから受け取った玉串(榊の枝に紙垂をつけたもの)を祭壇に捧げ、二礼二拍手一礼(二回お辞儀をして、二回手を叩き、最後にもう一度お辞儀をする)をして拝礼します。
通常、施主、施工会社の代表者、そしてその他の参列者の順に行われます。
9.撤饌:神様へのお供え物を祭壇から下げます。
10.昇神の儀:お招きした神様にお帰りいただきます。
11.閉式の儀:神主さんが、これにて地鎮祭を終了する旨の祝詞を奏上し、儀式は幕を閉じます。

 

□地鎮祭で準備すべきもの

地鎮祭で必要となる準備物は、大きく分けて「神主さんが用意してくれるもの」「施主が用意するもの」「施工会社が用意するもの」の3つに分類できます。
多くの場合、施工会社が中心となって準備を進めてくれますが、念のため、どの項目を誰が担当するのかを事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

*祭壇に供えるもの

地鎮祭の祭壇には、神様へのお供え物として、以下のようなものが一般的に用意されます。
*米:一合程度の米を用意します。
*酒:一升瓶の日本酒が一般的です。
のし紙を付け、「奉献」または「御神酒」と記載します。
*水:清らかな水をコップ一杯用意します。
*塩:清めの塩として一合用意します。
*海の幸:尾頭付きの魚(鯛が一般的)、昆布、スルメなど、海から採れる恵みを捧げます。
*山の幸:季節の果物(3〜5種類程度)や、季節の野菜(3〜5種類程度)など、山から採れる恵みを捧げます。
*野の幸:米、餅、乾物(干し椎茸、わかめなど)など、野や畑で採れる恵みを捧げます。
これらの供え物についても、神主さんが一式用意してくれる場合もあれば、施主が個別に準備する必要がある場合もあります。
どちらが用意するのか、事前に施工会社や神主さんに確認し、明確にしておきましょう。

*施主が用意するもの

施主が主に用意するべきものは、神主さんへのお礼としてお渡しする「初穂料」の準備です。
初穂料は、紅白の蝶結びの水引がついたのし袋に入れ、表書きには「御初穂料」または「玉串料」と記載し、その下に施主の氏名をフルネームで書くのが一般的です。
金額の目安は、後述する費用についてで詳しく説明します。
その他、地鎮祭の会場に祭壇を設置したり、テントや椅子を用意したりといった会場設営や準備は、施工会社が行うことがほとんどです。
しかし、念のため、どのような準備をしてもらえるのか、どこまでが施工会社の担当範囲なのかを確認しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。

□地鎮祭当日の服装とマナー

地鎮祭は、神聖な儀式であると同時に、神様や地域の方々への敬意を示す場でもあります。
そのため、当日の服装や、儀式中の立ち振る舞いには、特に配慮が必要です。

*服装はフォーマルに

地鎮祭は神事ですので、基本的にはフォーマルで、失礼のない服装を心がけましょう。
*男性の場合:ダークカラーのスーツに、白のワイシャツ、落ち着いた色のネクタイ、そして革靴を着用するのが一般的です。
カジュアルすぎる服装や、作業着などは避けましょう。
*女性の場合:ワンピース、スカートスーツ、パンツスーツなど、落ち着いた色合いの服装が適しています。
過度な露出のある服装や、華美なアクセサリーは避け、上品な印象を与える服装を選びましょう。
お子さんが参列する場合も、学校の制服があればそれが最も望ましいでしょう。
制服がない場合は、それに準ずる、清潔感のあるきちんとした服装が良いでしょう。
Tシャツやジーンズといったカジュアルすぎる服装や、派手な色柄の服は、場にふさわしくないため、避けるのがマナーです。

*当日の立ち振る舞い

地鎮祭当日は、神主さんの指示に従って、粛々と儀式に参加することが何よりも大切です。
*遅刻厳禁:神聖な儀式ですので、遅刻は厳禁です。
時間に余裕を持って会場に到着し、受付や神主さんへのご挨拶を済ませておきましょう。
*私語は慎む:儀式の最中は、神様への敬意を表すため、私語は慎みましょう。
携帯電話の通話やメールのやり取りも控え、厳粛な雰囲気の中で参加することが求められます。
*写真撮影:写真撮影が許可されている場合でも、儀式の進行の妨げにならないよう、細心の注意を払いましょう。
神主さんの指示に従い、必要であれば事前に撮影の可否やタイミングについて一言断ってから行うのが良いでしょう。
フラッシュの使用も控えましょう。
*玉串奉奠:玉串奉奠は、地鎮祭の中でも特に重要な作法の一つです。
神主さんの説明をよく聞き、玉串の持ち方、祭壇への供え方、そして拝礼の作法を、丁寧に行いましょう。
もし作法に自信がない場合は、事前に神主さんや施工会社の方に確認しておくと安心です。

 

□地鎮祭の時期と費用

地鎮祭を行う時期や、それに伴ってかかる費用についても、事前に把握しておくことで、スムーズな準備につながります。

地鎮祭は、基本的に建築工事が始まる前に行われます。
暦注である「六曜」を気にする方もいらっしゃるかもしれません。
例えば、仏滅などの日取りは避けたいと考える方もいるでしょう。
しかし、地鎮祭は神事であり、仏滅などの日に行っても神事として問題はないとされています。
もし、どうしても気になる場合は、大安や友引といった吉日を選んで行うと、より気持ちよく儀式に臨めるかもしれません。
最終的な日程については、施工会社や神主さんとよく相談し、皆さんの都合の良い、そして天候にも恵まれそうな日を選ぶのが最もおすすめです。

*費用の相場

地鎮祭にかかる費用は、主に神主さんへのお礼である「初穂料」と、お供え物や会場設営にかかる費用に分けられます。
*初穂料:神主さんへのお礼としてお渡しする初穂料の相場は、一般的に2万円から5万円程度とされています。
これはあくまで目安であり、地域や神社、そして神主さんの格式などによって金額は変動します。
依頼する神社や施工会社に事前に確認しておくことが重要です。
*お供え物:祭壇に供えるお供え物を施主が用意する場合、その費用は5千円から1万円程度が目安となります。
魚や果物、野菜など、内容によって費用は変わってきます。
*その他:地鎮祭の会場設営(テント、椅子、机など)や、祭壇のレンタル費用などが発生する場合もあります。
これらの費用については、施工会社が負担してくれることがほとんどですが、契約内容や見積もりをしっかりと確認しておくようにしましょう。
これらの費用についても、施工会社が初穂料込みで手配してくれたり、費用の一部を負担してくれたりするケースもあります。
契約時に、地鎮祭に関する費用負担について、どこまでが自分たちの負担で、どこからが施工会社の負担になるのかを明確にしておくことが、後々のトラブルを防ぐ上で非常に大切です。

 

□まとめ

地鎮祭は、新しい家での生活が安全で、そして家族が末永く繁栄していくことを願う、非常に大切な儀式です。
今回は、地鎮祭の基本的な意味合いから、具体的な準備、当日の流れ、服装やマナー、そして時期や費用に至るまでの情報をお伝えしました。
これらの情報を参考に、ご自身の地鎮祭を滞りなく、そして心穏やかに行い、これから始まる新しいマイホームでの生活を、希望に満ちた気持ちでスタートさせてください。
もし、この記事を読んでも疑問が解消されない点や、さらに詳しく知りたいことがあれば、遠慮なく家づくりを依頼している施工会社や、地鎮祭を執り行ってくださる神主さんに相談してみましょう。
疑問や不安をしっかりと解消しておくことが、地鎮祭を成功させ、そして安心して新生活を始めるための鍵となります。

投稿:undepart

カテゴリー:住まいの豆知識

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